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TFRS for NPAEs 第3章

第3章 概念的フレームワーク


第9項 NPAEsの財務諸表の作成と開示における概念的フレームワークは、NPAEsの財務報告作成にあたっての限界がある中で、一般的な目的のための財務諸表の作成と開示に焦点を合わせている。


第10項 NPAEsのための財務諸表の開示にあたっては、発生主義と継続企業の前提を前提としている。


第11項 発生主義は、事業体が取引を当該取引が発生した期間に認識することを要請している。この期間は、事業体が現金を受け取った又は支払った期間と同様、又は同様の期間でない場合がある。


第12項 継続企業の前提は事業体が予見しうる将来に渡って事業活動を継続するであろうという仮定である。継続企業の前提の仮定についての妥当性に重要な疑義がある場合、事業体は財務諸表上この前提を用いて認識されている項目について、本財務報告基準に定められたもの以外で評価する必要がある。


第13項 本概念的フレームワークは、以下の項目を含んでいる。

第13項の1 財務諸表の目的

第13項の2 財務諸表の利用者と、その情報に関するニーズ

第13項の3 財務諸表上情報の質的性質

第13項の4 財務諸表要素の定義と認識

第13項の5 財務諸表要素の測定


財務諸表の目的

第14項 TFRS for NPAEsにおける財務諸表の目的は、事業体の財政状態及び経営成績に関する経済的判断を行うために有用な情報を提供することにある。


第15項 前項における『有用な情報』とは、過去の取引が財政状態及び経営成績に及ぼす影響を反映し、利用者が事業体の現金及び現金同等物の量・時期・その確実性といった稼得能力を評価することに資する財務情報である。


第16項 財務諸表における情報は、その他の利用者が事業体の経営者の能力及び責任を評価することにも資する。

財務諸表の利用者と、その情報に関するニーズ


第17項 本財務報告基準は、以下の事業体の所有者のニーズを満たすという主目的を有する財務諸表の表示に関するガイドラインを監督する。

第17項の1 ある時点における財政状態、及び会計期間における事業体の財政状態における成果と変化の評価

第17項の2 事業体の所有者からの資金に関する財務情報の提供

第17項の3 投資機会の評価、及び財務管理に関する検討要素となること


第18項 財務諸表に含まれる情報は、財務諸表のその他の利用者が経済的な意思決定を行う以下のような場合にも有用である。

第18項の1 貸手、サプライヤー、その他取引上の債権者

第18項の1.1 貸付を行う前のリスク評価のため

第18項の1.2 ローンのモニタリングプロセスにおける財務情報のため

第18項の2 政府及び関連機関

第18項の2.1 税務統治のために有用な情報の提供のため

第18項の2.2 貿易・投資の促進のために有用な情報の提供のため

第18項の2.3 全体的な経済発展の便益のため


財務諸表上情報の質的性質


本質的な質的性質

第19項 財務報告の主要な目的は財務諸表の利用者の経済的意思決定に資する有益な情報を提供することにある。このような有益な情報は、本質的に以下のような質的性質を有する必要がある。

第19項の1 信頼性 – 信頼できる情報は経済的事象を完全に表示しており、かつ、重大なエラーやバイアスが含まれていない必要がある。

第19項の2 関連性 – 意思決定に関連する情報は、財務諸表の利用者が過去に予見されていた出来事や取引の結果を確認すること、及び現在の出来事や将来起こりうる取引の結果を予測することを助け、意思決定に重大な影響を及ぼす。

附属的な質的性質


第20項 本質的な質的性質以外に、財務報告における情報は意思決定にあたってより有用な情報と、そうではない情報を区別するための補足的な質的性質が含まれる必要がある。附属的な質的性質は、以下の通りである。

第20項の1 比較可能性 – 財務報告における情報は二つの経済的事象の相違点又は類似性を識別できるものでなければならない。会計基準の適用における継続性は、財務情報の比較可能性を向上させる。

第20項の2 検証可能性 – 検証可能な情報は異なる知識や独立性のレベルを有する財務諸表の利用者が、必ずしも合意するものではなくても相互の共通認識をもつことを助ける。

第20項の3 即時性 – 即時性のある情報は財務報告の利用者が意思決定に影響を与えられる能力を失う前に提供されなくてはならない。

第20項の4 理解可能性 – 財務報告の利用者にとり理解可能な情報は関連する事業や経済活動に関する合理的な知識、及び合理的な注意をもって財務報告を読み、分析する能力をを有する利用者にとり理解可能な形で表示されていなければならない。


その他の検討事項

第21項 もし情報を削除したり、誤って報告した場合に利用者の経済的意思決定に影響を与えうる場合、当該情報は重要である。重要性は削除や誤った報告の特定の状況下で判断される項目又はエラーのサイズに依拠し、ケース・バイ・ケースで検討されなければならない。ゆえに、重要性は情報は有用でなければならないという質的性質としてではなく、検討事項として検討される。


第22項 一般的に財務諸表の作成者は、貸倒懸念債権の回収可能性、固定資産の見積経済耐用年数、保証に関する申立の件数といった、多くの出来事や状況を避けがたく取り巻く不確実性を考慮しなければならない。事業体は財務諸表の作成にあたり、慎重性の行使をもってこのような不確実性を認識しなければならない。慎重性とは、不確実性下において必要とされる見積を行う上で必要とされる判断の遂行にあたっての注意の度合の包含であり、例えば資産や収益が過大計上されていないことや、負債や費用が過少計上されていないような状況であることをいう。しかしながら、慎重さの遂行は、財務諸表が中立的ではなくなり、結果として信頼性を失うことから、例えば隠れ準備金や過剰引当金の計上、意図的な資産や収益の過少計上、意図的な負債や費用の過剰計上といったことを許すものではない。


第23項 費用と便益のバランスの考慮は、PAEsに比してNPAEsにとってより重要である。なぜならば、NPAEsは規模の経済により生じる便益を受けず、財務報告の作成における単価が高くつくことになるためである。さらには、NPAEsは財務報告作成にあたり、限られた資源しか有していない。


第24項 実務上、質的性格の間での考慮又はトレード・オフはしばしば必要である。一般的に、財務諸表の目的を達成するため、質的性格の中での適切なバランスを達成することが求められる。異なるケースにおける質的性格の相対的重要性は、専門家の判断が必要な事項である。


認識と財務諸表の要素

第25項 認識は、財政状態計算書(正式には貸借対照表)又は損益計算書の一部として項目を取り込むプロセスをいう。


第26項 財務諸表の利用者が事業体の財政状態を評価するために用いる情報を提供する財務諸表の要素は資産、負債、資本である。これらの要素は、以下のように定義、そして認識される。

第26項の1 資産とは、過去の出来事の結果として事業体によりコントロールされる資源であり、これにより将来の経済的便益が事業体にもたらされることが予見されるものをいう。資産の認識は、以下の全ての認識に関する条件を満たす必要がある。

第26項の1.1 将来の経済的便益が事業体にもたらされる可能性が高い。

第26項の1.2 信頼性をもって見積もることができる費用又は価値を有する。

第26項の2 負債とは、過去の出来事から生じた事業体の現在の契約上の債務で、その決済が経済的便益を具現化する事業体の資源の流出に帰結することが見込まれるものをいう。負債の認識は、以下の全ての認識に関する条件を満たす必要がある。

第26項の2.1 経済的便益を具現化する資源の流出が、現在の契約上の債務の決済により見込まれる。

第26項の2.2 決済がなされる金額を信頼性をもって見積もることができる。

第26項の3 資本とは、全ての負債を控除した後の事業体の資産における残余持分である。


第27項 財務諸表の利用者が事業体の経営成績を評価するために用いる情報を提供する財務諸表の要素は収益、費用である。これらの要素は、以下のように定義、そして認識される。

第27項の1 収益とは、本財務報告基準上直接資本として認識するべきとされる資本の貢献者からの貢献や増分以外の、資本の増加に帰結する資産の流入又は拡大、又は負債の減少の形をとる報告期間内における経済的便益の増加をいう。収益は信頼性をもって見積もることができる資産の増加又は負債の減少に関連する将来の経済的便益の増加が発生したときに認識される。収益の定義は事業体の通常の活動を通じて発生した収益、及び為替差益、資産売却益といった事業体の通常の活動を通じて生じたかそうでないかを問わない利益を含む。利益が認識されたとき、経済的意思決定を行うにあたりこの知識は有用であることから、通常これらは区分して計上され、対応する費用との純額として計上される。

第27項の2 費用とは、本財務報告基準上直接資本として認識するべきとされる資本の貢献者への分配や減少以外の、資本の減少に帰結する資産の流出又は減少、又は負債の発生の形をとる報告期間内における経済的便益の減少をいう。費用は信頼性をもって見積もることができる資産の減少又は負債の増加に関連する将来の経済的便益の減少が発生したときに認識される。費用の定義は事業体の通常の活動を通じて発生した費用、及び為替差損、資産売却損といった事業体の通常の活動を通じて生じたかそうでないかを問わない損失を含む。損失が認識されたとき、経済的意思決定を行うにあたりこの知識は有用であることから、通常これらは区分して計上され、対応する収益との純額として計上される。


財務諸表要素の測定

第28項 測定とは、財務諸表要素が認識されるべき金銭的価格を決定するプロセスをいう。


第29項 測定のベースには、以下のものがある。

第29項の1 取得原価とは、資産の当初の認識において資産の獲得のために支払った現金又は現金同等物の金額、又は当初の認識において契約上の義務と引き換えに受領した現金又は現金同等物の金額をいう。

第29項の2 現在原価とは、現時点で同様又は同等な資産を獲得した場合に支払われるべき現金又は現金同等物の金額、又は現時点で契約上の義務を充足するのに必要な現金又は現金同等物の金額をいう。

第29項の3 実現可能(決済)価額とは、測定日に資産を適切に売却することで現在獲得されうる現金又は現金同等物の金額、又は負債を充足するために支払われることが予見される現金又は現金同等物の割引されていない金額をいう。

第29項の4 現在価値とは、項目が通常の事業過程で生み出すことが予見される将来のキャッシュ・インフローの純額による資産の測定、又は通常の事業過程で負債を決済するために必要と予見される将来のキャッシュ・アウトフローの純額による負債の測定をいう。

第29項の5 公正価値とは、合理的な売り手と買い手が独立な対等の関係において資産を交換する、又は負債を決済する値である。例として、市場価格(活発な市場)又は他の取引相手に負債を譲渡するために支払われる金額の現在価値がある。


第30項 財務報告の作成にあたってNPAEsにより採用される測定のベースは、取得原価である。これはしばしばその他の測定のベースと結合される。例えば、棚卸資産は原価と正味実現可能価格のいずれか低い方で計上され、市場性のある有価証券は時価で計上されるなどである。公正価値は財務報告の利用者にとり有用ではあるが、NPAEsは公正価値による財務報告作成により、かような情報から得られる便益に比して非常に高いコストを負う可能性がある。このことから、公正価格が信頼のおける情報源から低いコストで直接獲得できるような、公正価格が流動性が非常に高い市場から獲得しうる資産や負債の特定項目の測定については、公正価格によるものとする。

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