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TFRS for NPAEs 第14章

第14章 リース取引


第235項 リースとは、ある資産の合意期間内の使用に関する貸手と借手間の契約を指す。


第236項 ファイナンス・リースとは、資産の所有権と共にその資産が伴うすべてのリスクおよび利益を譲渡するリースを指す。


第237項 オペレーティング・リースとは、ファイナンス・リース以外のリースを指す。


第238項 解約不能リースは、以下の条件下でのみ解約が許される

第238項の1 偶発的事情の発生

第238項の2 貸手の了承

第238項の3 同じ貸手との新規契約において、同じか同等の資産をリースされた場合

第238項の4 契約開始時、借手による追加支払によってリースの継続がほぼ確実の場合


第239項 契約開始時は、リース契約日か資産受渡日どちらかの早い方を指し、以下が行われる

第239項の1 契約がオペレーティングおよびファイナンス・リースとして分類

第239項の2 ファイナンス・リースの場合、リース期間開始時の支払金額の決定


第240項 リース期間の開始は、借手に資産の利用権利が委託された日とする。正確には、リースによって譲渡された資産、又はそれに要した負債および費用が認識された日付を指す。


第241項 リース期間は、借手が契約を通して資産をリースされた解約不能な期間を指し、当事者間の見解のよっては、追加の支払の有無を問わず、延長が可能である。


第242項 最低リース料とは、リース期間中に借手が払うべき料金を指し、以下と共に支払が行われる

第242項の1 借手かその関係者が保証した金額

第242項の2 借手又はその関係者、および財政上の義務を果たせる貸手とは無関係の第三者によって貸手に保証された資産の残存額


偶発賃料、および貸手が負担若しくは貸手に返済する税金およびサービス費用は最低リース料には含まれない。リース資産の公正価値以下での購入が可能、かつその価格での入手が可能な日時がほぼ確定している場合、その期日までの最低リース料にその価格を上乗せしたものが最低リース料になる。


第243項 公正価値とは、必要な知識を持つ自発的な当事者間で、独立当事者間取引として資産が交換され、または負債が決済される金額である。


第244項 経済的耐用年数とは、一人以上の利用者によって以下のいずれかを指す

第244項の1 経済的使用が可能と想定される期間

第244項の2 生産可能な単位および同等な単位の想定数量


第245項 残存耐用年数とは、リース期間の開始時期から資産に付随する経済的利益が事業体によって消費し尽くされるまでの年数を指し、リース期限到達後も効力が残る。


第246項 保証残存価額とは、資産の残存価値の内、借手によって保証された額、若しくはその関係者、および財政上の義務を果たせる貸手とは無関係の第三者によって保証された額である。前者の場合、最高保証額は残存価値以上であってはならない。


第247項 無保証残存価額とは、資産の残存価値の内、貸手への納入が関係者によって保証されていないものを指す。


第248項 当初直接費用とは、リース契約の交渉および締結に直接起因する増分原価である。製造業者または販売業者である貸手には適用されない


第249項 リース投資未回収額とは、未収最低リース料と貸手に変換される資産の無保証の残存価値の合計である。


第250項 正味リース投資未回収額とは、リース投資未回収額の現在価値。契約上の割引率で計算する。


第251項 繰延受取利息とは、リース投資未回収額と正味リース投資未回収額の差である。


第252項 契約上の割引率は、計算利子率とも言い,物件の公正価値および貸手の当初直接費用と等しくなるように,最低リース料および物件の残価を現在価値に割り引く場合の利率である。


第253項 追加借入利子率は,同等のリースにおいて借手が支払いを要するであろう利率,または借手が物件の購入資金をリース期間にわたって借り入れたとしたら課されるであろう利率である。


第254項 変動リース料とは,物価変動や一定の指標(リース料の相場,市場利子率,消費者物価指数など)や,物件の使用がもたらしたレッシーの業績(売上高など)などの将来事象が発生することによって課されるリース開始日の時点で金額が確定しているものではないリース料である。


リースの分類

第255項 貸手についてのリースの分類は、リースが原資産の所有に伴うリスクと経済価値をどの程度移転するのかを基礎としている。リスクには、操業休止又は技術的陳腐化による損失や経済状況の変化によるリターンの変動の可能性が含まれる。経済価値は、原資産の経済的耐用年数にわたる収益性の高い営業の期待および価値の増価又は残存価値の実現から生じる利得で表される場合がある。


第256項 リースが、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合には、ファイナンス・リースに分類される。原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転するものではない場合には、リースはオペレーティング・リースに分類される。


第257項 単独で又は組み合わせにより、通常はファイナンス・リースに分類される状況の例は、以下のとおりである。

第257項の1 当該リースにより、リース期間の終了までに借手に資産の所有権が移転される。

第257項の2 借手が、オプションが行使可能となる日の公正価値よりも十分に低いと予想される価格で原資産を購入するオプションを有していることにより、当該オプションが行使されることは契約日において合理的に確実である。

第257項の3 所有権が移転しない場合でもリース期間が原資産の経済的耐用年数の大部分を占める。

第257項の4 契約日において、リース料の現在価値が、少なくとも原資産の公正価値のほとんどすべてとなる


第258項 上記の要素は、ファイナンス・リースの主な性質を識別することを意図しているが、必ずしも決定的なものではない。当該リースが所有に伴うリスクと経済価値の実質的にすべてを移転しないことを示すその他の特徴が存在する場合、当該リースはオペレーティング・リースとして分類される。例えば、資産の所有権がリースの終了時点においてその時点での公正価値と同額の変動支払いとの交換で移転する場合、また、変動リース料があり、その結果として借手が、所有することによって発生する当該リースのすべてのリスクと経済価値を実質的に保有することがない場合が該当する。


第259項 リースの分類は契約日に行われ、リースの条件変更があった場合にのみ見直しが行われる。見積りの変更(たとえば、原資産の経済的耐用年数若しくは残存価値の見積りの変更)又は状況の変化(たとえば、借手の契約不履行)は、会計処理の目的上、リースの分類の変更を生じない。


第260項 土地と建物のリースは、その他のリースと同じ方法により評価される。貸手は、土地の経済的耐用年数は通常は確定できないということに留意した上で、それぞれの要素をファイナンス・リース又はオペレーティング・リースのいずれかに分類する。借手がリース契約終了時に法的所有権を取得しない場合であっても、原資産の残存価値の変動リスクを負う場合、該当リースはオペレーティング・リースとして分類される。その際、資産の処分に伴う売却収益の全額、または実質的に全額と同等の払い戻しを受ける場合がある。


第261項 リースが土地と建物の両方を含んでいる場合、それぞれ個別に分類が行われる。契約終了時、法的所有権が取得されると想定される場合、どちらもファイナンス・リースとして分類する。当該リースに含まれる土地と建物いずれか、または両方の、所有に伴うリスクと経済価値の実質的にすべてを移転しないことを示すその他の特徴が存在する場合、ファイナンス・リースとしては分類できない。土地は通常、無限の経済的耐用年数を有しているため、契約終了時に法的所有権を取得しない場合、オペレーティング・リースとして分類される。建物は、どちらにも分類が可能である。


第262項 土地と建物のリースの分類および会計処理に必要となる場合、最低リース料(一括前払を含む)は、契約日におけるリースの土地と建物要素の賃借権の公正価値の比率をもとに、土地要素と建物要素へ配分される。土地と建物の2要素に、リース料が信頼性をもって配分できない場合、リース全体をファイナンス・リースとして分類する。ただし、土地・建物両方の要素が明らかにオペレーティング・リースとして当てはまる場合、リース全体をオペレーティング・リースとして分類する。


第263項 前項の配分後、土地要素の金額に重要性がないと判断された場合、当該土地と建物を含むリースを単一の単位として、オペレーティングおよび、ファイナンス・リースとして扱うことが認められる。単一リースとして扱う場合、建物要素の経済的耐用年数をリース全体の経済的耐用年数として認識する。


借手の会計処理

ファイナンス・リース:当初認識

第264項 リース開始時、借手はファイナンス・リースを、リース資産の公正価値の同額分、資産又は債務として、賃借対照表に認識する。公正価値より低く記載する場合、最低リース料の現在価値と同額分を認識する。現在価値を計算するにあたって使用する割引率は本契約上の割引率を使用する。割引率の計算が困難な場合、追加借入利子率を使用する。借手のあらゆる初期直接原価は、資産化される。


第265項 初期直接原価とは、リース契約の交渉および締結に直接起因する増分原価である。直接起因する原価は当該リースの資産と認識された額に上乗せされる。


ファイナンス・リース:事後測定


第266項 リース期間中の各期間におけるリース負債に係る金利は、リース負債の残高に対して毎期一定の率の金利を生じさせる金額としなければならない。変動リース料は、変動リース料の支払いの原因となる事象又は状況が発生した期間に純損益で認識する。


第267項 借手には、リース期間中の費用の計算処理にあたって、ある程度の概算、又は見積もりが許されている。


第268項 減価償却が可能な資産については減価償却費が発生し、加えて、会計期間ごとに財務費用が発生する。

第269項 リース資産の償却額は、資産の想定使用期間内の会計期間ごとに、借手の減価償却制度に則って計上する。リース契約終了時までにリースの所有権が借手に移転する場合、想定される使用期間は資産の耐用年数とする。それ以外の場合、資産の耐用年数の終了時、またはリース契約終了時のいずれか早い方を想定使用期間とする。

第270項 ファイナンス・リースにおいて借手は以下の情報を開示する。

第270項の1 決算日において、資産の分類・区分ごとの正味帳簿価額

第270項の2 契約終了時までの合計リース料とその現在価値の調整。加えて、下記の期間においての、契約終了時までの合計リース料とその現在価値。

第270項の2.1 1年以内

第270項の2.2 1年から5年以内

第270項の2.3 5年以降

第270項の3 該当期間中に発生した費用として計上された偶発賃料。

第270項の4 解約不能なサブリースから生じるリース料の決算日までの合計。


第271項 ファイナンス・リースとして契約された資産に関しては、本会計基準内の各種資産の情報開示条項も当てはまる。


オペレーティング・リース

第272項 リース料(保険料やメンテナンス料などのサービスコストを除く)は、費用として認識される。計算にあたっては、定額法か、当該資産の利用により適した方法を使用できる。

第273項 オペレーティング・リースにおいて借手は以下の情報を開示する。

第273項の1 下記の期間においての、契約終了時までの合計リース料。

第273項の1.1 1年以内

第273項の1.2 1年から5年以内

第273項の1.3 5年以降

第273項の2 解約不能なサブリースから生じるリース料の決算日までの合計。

第273項の3 最低リース料、偶発賃料、サブリース料に分けて、決算期内に認識されたリースまたはサブリース料。


貸手の会計処理

ファイナンス・リース:当初認識

第274項 借手は、リース対象の資産を賃借対照表にて、正味リース投資額を売掛金として認識する。

第275項 ファイナンス・リースは、資産の法定所有権と共にその資産が伴うすべてのリスクおよび利益が、貸手から借手へ移転するリースを指す。よって、リース料受取額は、財務収入や貸手による投資やサービス等の返済料として扱う。

第276項 貸手が負う当初直接費用は、手数料や法的サービスから発生する費用に加え、リース契約の交渉および締結に直接起因する増分原価である。なお、営業・マーケティングなどの間接諸経費は含まれない。貸手が製造業者または販売業者ではないファイナンス・リース契約において、当初直接費用はリース未収金の当初測定に含まれ、契約期間中の収入から差し引かれる。契約上の利率は、当初直接費用をリース未収金の一部として自動的に含まれるように設定する。製造業者または販売業者が貸手である場合、リース契約の交渉および締結に直接起因する費用は当初直接費用から除外される。よって、リースへの正味投資額からも除外され、売上利益が認識された時点で、つまりリース開始時に費用として認識される。

ファイナンス・リース:事後測定

第277項 契約から発生する収益は、ファイナンス・リースへの貸手の総投資額の一複利期間ごとの収益率をベースに認識する。

第278項 貸手のリース投資額の計算に使用される無保証残存価額は定期的に査閲する。想定無保証残存価額に減少が認められた場合、契約期間中の収入配分の再計算を行った後、差額を速やかに損益計算書へ計上する。

第279項 ファイナンス・リース内で、売却目的で保有する固定資産は本基準148項と149項に明記された要項の下計上される。

第280項 製造業者または販売業者である貸手のリース契約中の売却損益は、通常の売却損益と同様に事業体の会計方針に則って処理される。意図的に低く金利が設定されている場合、売却利益は、市場金利をもとに計算した額を上限とする。当初直接費用は、売却利益が確認された時点で費用として計上する。

第281項 製造業者または販売業者は、資産の運用について、買収・リースの2択を顧客に提供しているが、ファイナンス・リースにおいては以下2種の収入が発生する。

第281項の1 リースされた資産の通常売却の際に発生する損益と同等の業者・数量割引も含めた収入

第281項の2 リース期間中の財務利益


第282項 リース契約開始時に認識される売却収入は、適格資産の公正価値または、最低リース料総額の市場金利をもとに算出した現在価値と認識する。後者は公正価値より低額の場合においてのみ適用する。リース開始時の売却費用は、リース資産にかかる費用または帳簿価額いずれかから無保証残存価額の現在価値を差し引いた額で認識する。帳簿価額と資産から発生する費用が一致しない場合においてのみ帳簿価額を利用する。売却収入と売却費用の差額を売却利益とし、事業体の会計方針に沿って計上される。


第283項 貸手には以下の開示責任がある

第283項の1 決算時の、正味投資額と最低リース料受取額の調整。なお、事業体は以下の期間について、決算時の正味投資額と最低リース料受取額を開示する。

第283項の1.1 1年以内

第283項の1.2 1年から5年以内

第283項の1.3 5年以降

第283項の2 前受収入

第283項の3 貸手へ無保証の残存価額

第283項の4 最低リース料の貸倒引当金

第283項の5 収入として認識された変動リース料

第283項の6 貸手側のリース契約の概要

オペレーティング・リース

第284項 貸手は、オペレーティング・リースの該当資産を計上するにあたって、資産の特性に合わせて勘定する。

第285項 オペレーティング・リースからのリース収入の計算は、定額法または、当該資産の便益の経年減少により適した方法を使用する。

第286項 リース収入から差し引かれるコスト(減価償却費も含む)は、発生した会計期間の費用として計上される。リース収入(保険やメンテナンスなどのサービス収入を除く)は、定額法を用いて計算されるが、当該資産の便益の経年減少により適した方法を計算に使用するの可能である。

第287項 当初直接費用は、リース資産の帳簿価額に加算され、契約期間を通して費用として計上する。計算法は、リース収入と同様とする。

第288項 リース資産の減価償却方針は、同等資産の通常方針に沿って計上される。計算については、本基準の有形固定資産および無形資産の要項に従って行う。

第289項 製造業者および販売業者がオペレーティング・リースを契約する際には、売却行 為は発生しないため、売却利益は発生しない。

第290項 貸手は以下の開示責任がある。

第290項の1 以下の期間に受け取ると想定される最低リース料のその合計

第290項の1.1 1年以内

第290項の1.2 1年から5年以内

第290項の1.3 5年以降

第290項の2 収入として計上された変動リース料総額

第290項の3 リース契約の概要


第291項 上項に加え、追加情報として、貸手によって本基準に沿って資産として計上された各種リース契約対象の資産の開示が義務付けられている。


セール・アンド・リースバック取引

第292項 セール・アンド・リースバック取引とは、資産の売却(セール)後、その買手から当該資産のリースを受ける取引である。この際、リース料と売却額は一括的に交渉されるため、相関的な関係性を持つ。会計処理については、当該資産の種類によって異なる。

第293項 セール・アンド・リースバック取引の末にファイナンス・リースが契約された場合、売手/借手は、資産売却額と帳簿価額の超過額はすぐには収入として認識しない。よって、契約期間を通して償却される。

第294項 前項の様にリースバック部分がファイナンス・リースである場合、買手/貸手が対象資産を担保に、売手/借手へ出資する取引となる。よって、資産売却額と帳簿価額の超過額はすぐには収入として認識するのは適切ではないため、契約期間を通して償却される。

第295項 セール・アンド・リースバック取引がオペレーティング・リースへと締結する場合、加えて:

第295項の1 公正価値をもとに取引が成立した場合、すべての損益は発生後速やかに勘定される。

第295項の2 売却額が公正価値を下回る場合、かつ公正価値以下のリース料で損失分を補う場合、資産の想定使用期間中のリース料支払いに沿って償却される。それ以外の場合は、すべての損益は発生後速やかに勘定される。

第295項の3 売却額が公正価値を上回る場合、上回った差額は想定使用期間を通して償却される。


第296項 リースバック部分がオペレーティング・リースである場合、かつリース料と売却額が公正価値で交渉された場合、通常の販売取引が行われたとみなされ、いかなる損益は速やかに勘定される。


第297項 オペレーティング・リースにおいて、当該資産売却時の公正価値が帳簿価額を下回る場合、差額分の損失を速やかに記帳する。

第298項 セール・アンド・リースバック取引の貸手と借手の開示責任は、通常リース取引と同様とする。これは、開示情報内の「契約の概要」にて、セール・アンド・リースバック取引独特な規定などを明記する故である。

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